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第6回学術シンポジウム「超高齢社会と...

2015.08.02

本日、日本歯科大学生命歯学部富士見ホールにて日本口腔インプラント学会 第6回学術シンポジウム
メインテーマ「超高齢社会とインプラント」
に出席してまいりました。

〈内容〉
「生命科学の視点から見る口腔インプラント」
昭和大学歯学部口腔生化学講座
上條竜太郎先生
インプラントを支える骨の代謝について、免疫力・加齢に伴う変化
骨細胞〈破骨細胞・骨芽細胞〉の炎症におけるメカニズム

「インプラント周囲組織と加齢変化」
日本大学歯学部付属病院歯科インプラント科
関啓介先生
超高齢化社会に伴うインプラント治療と全身管理
過去に埋入したインプラント体の高齢者に対するメインテナンス

「認知機能障害の視点から超高齢社会におけるインプラント治療を考える」
公益社団法人 日本歯科先端技術研究所
野村智義先生
超高齢化社会を向かえ、認知症患者の口腔ケアはもちろんのこと、認知症の全段階である軽度認知障害(Mild Cognitive Impairement:MCI)について
MCIとは、思考・見当識・理解・計算・学習能力・言語・判断などが低下しているが、認知症とは言えない認知症前段階と定義されるものである。
医師はもちろんのこと歯科医師もこのMCIの段階で早期発見を行うことによって、認知症の移行を阻止あるいは大幅に遅らせることが期待される。

「安心で安全なインプラント治療のためにメディカルリスクにおいて考慮すべきポイントについて考える」
明海大学歯学部病態診断治療学講座口腔顎顔面外科学分野Ⅰ
田村暢章先生
65歳以上の高齢者は4人に1人、75歳以上の高齢者は8人に1人に達しており、2030年には5人に1人は75歳以上が占めることになる。
現在健康な多くのインプラント患者もこれからインプラント治療を行う中高年もやがて高齢化が進み、加齢による口腔内の管理だけでなく、全身的な病態それに伴う管理は必要不可欠となる。
特に歯科医療現場で遭遇する高血圧症・虚血性心疾患・糖尿病などの内分泌系疾患とともに、抗血栓療法薬、最近注目するべきビスフォスフォネート製剤などを服用する患者の術前の評価や治療上考慮すべきポイントについての考察。

「オッセオインテグレーテッド インプラント治療について」
日本歯科大学附属病院口腔インプラント診療科
高森等先生
日本にオッセオインテグレーテッドインプラントが導入されて30年になる。
当時はインプラントに否定的であった口腔外科医も、成功率の向上とともに咀嚼機能回復はもとより、がん患者などの顔面欠損部に対する顔面補綴の維持装置としてインプラントを利用することによって、容易に強固な維持力が得られ、患者のQOLを高めるうえで非常に有効な治療であると認められるようになった。
さらにインプラント体の質の向上とともに、即時荷重といった方法で大幅に治療期間を短縮する方法、また過去においては上顎大臼歯部ではインプラントを埋入できなかったものも上顎洞挙上術の出現において可能となり、最近ではCTの改良によりコンピューターガイドシステムを用いてシュミレーションした通りにインプラント埋入が可能となった。
今後ますますインプラント治療医は、口腔外科的知識はもちろん最新技術の技量が必要不可欠となる。

「在宅療養中の患者に私たちはどこまで介入できるか」
総合インプラント研究センター 松井歯科医院
松井新吾先生
介護の現場におけるインプラント装着患者の口腔ケア・インプラント補綴の修理や撤去等様々な問題を抱えることとなる。
今後インプラント治療を選択した長きにわたり高いQOLを維持してきた患者に対し、どう向き合っていくべきかを考える。

「高齢者における口腔乾燥“砂を噛むようだ”という患者さんの訴えの裏にあるもの」
日本大学松戸歯学部障害者歯科学講座
遠藤眞美先生
インプラント治療を受けてから「砂を噛むようだ」「口がネバネバする」「口の中がかゆい」「唾液が邪魔で話せない」「痰がずっと出る」「口の中がえぐい」などと訴える患者がいる。
その原因のほとんどはドライマウスであり、患者自身もドライマウスに気付かずインプラント治療のせいだと思い込んでしまうため、しばしばトラブルとなることが多く、これを知っている歯科医師はあまりいないため、心身症として診断してしまうケースがみられる。
特に全身状態などにより対症療法が中心となる患者の場合、患者の生活や性格に寄り添いながら適切な治療方法を選択・提案し、経過を共に追いながら患者に真摯に向き合い対応していくことが重要である。

「インプラント治療と高齢者の摂食嚥下の回復」
東京医科歯科大学歯学部付属病院インプラント外来
今一裕先生
インプラントが普及し始めて四半世紀になり、長期経過したインプラント治療症例が増加してきている。
その中で在宅及び老人福祉施設での管理が必要とされる患者も増加の一途をたどっていると推察される。
特に広範なインプラント補綴が装着されている患者では、適切な口腔ケアは難しく、加えて患者本人が高齢となり、認知症を発症し口腔のセルフケアはますます困難となる。
高齢者の摂食嚥下とインプラント治療の関連について、すでにインプラントが埋入されている高齢者の状態について、在宅及び老人福祉施設における口腔ケアについての考察。