完全自己血由来のCGFメンブレン・A...
2013.09.19
濃縮血小板フィブリン分離用卓上低速遠心機(TOMY)を購入いたしました。
自己血(患者さん自身の血液)を採血し、この遠心分離器にかけCGF(Concentrated Growth Factor)とAFG(Autologous Fibrin Glue)を作成して、インプラント埋入前の前処置である骨造成時に応用します。
従来、GBRやサイナスリフト時に応用していた自己血を用いたPRP(多血小板血漿)やPRGF(血小板由来成長因子)などと異なり、凝固剤などの添加物を一切使用しない完全自己血液から作る成長促進物質です。
添加物を使用せず、操作がシンプルなため感染のリスクが非常に軽減されます。
CGFとは、フィブリンというコシのある卵白色をした物質です。
このフィブリンは、怪我をして出血した場合に出血を抑え傷の治りを促進する物質で、自然界では、血液が異物(血管が破れた時の空気や細菌など)に接触した場合にできるものです。
これを人工的に作るのがCGFです。
作り方は、自己血を採取して、その血液を異物であるガラス管に入れて遠心分離器にかけます。
すると、ガラス管の上澄みにコシのあるナメクジ状のフィブリンが分離されます。
これをフィブリンブロックまたは、フィブリンゲルと言います。
上顎臼歯部のインプラント前処置であるやサイナスリフト時には、このフィブリンブロックをそのまま上顎洞内に填入して治癒の促進を図ります。
また、このフィブリンブロックを生食水に浸したガーゼで挟んでつぶすと、膜状になります。
これをCGFメンブレンと言います。
用途は、インプラントの骨造成のGBR・ソケットリフト・サイナスリフト時の吸収性メンブレンの代用と骨造成の治癒促進のためです。
GBRとは、インプラントを埋入する部位の骨の幅がインプラントフィクスチャーの直径に満たないか、直径より僅かである場合に行うインプラント埋入前処置あるいはインプラント埋入と同時に行う骨造成法の事です。
従来は、骨不足部分に自家移植骨や人工骨を填入し、そこに非吸収性遮断膜・吸収性遮断膜で覆うことで、軟組織の治癒促進を抑制して、骨の治癒を促進させ、骨造成する方法でした。
この自己血液由来のCGFメンブレンは、異物が体内に吸収されることのないので完全なる吸収性遮断膜です。
自分自身の体内のものなので異物反応がないばかりか、フィブリンによる損傷された組織の再生や治癒を促す成長因子が凝縮されたものなので、骨造成後の創傷治癒が早くなるとさています。
また、治癒だけでなくCGFメンブレンには、成長因子により骨の再生機能が促進されると言われています。
しかし、CGFメンブレンは完全自己血由来のため吸収性メンブレンよりも吸収速度は、はるかに早いため骨造成する前に吸収してしまうため、CGFメンブレンを用いたGBRにはチタンメッシュとの併用が必要となります。
画像つきの詳しい術式を製作中ですので、出来上がりしだいホームページにアップいたします。