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インプラントサイナスリフトセミナー受...

2016.04.17

歯科の視点・耳鼻科の視点「サイナスリフトセミナー」
本日、歯科の視点・耳鼻科の視点「サイナスリフトセミナー」を受講してまいりました。
講師は、
國弘幸伸先生
慶応大学医学部耳鼻咽喉科 准教授

小澤俊文先生
おざわ歯科医院 院長

前半の國弘幸伸先生の講義は、
「耳鼻咽喉科学的講義」
●鼻腔・副鼻腔の役割と生理
●副鼻腔炎の発症機序と保存的治療
●副鼻腔の正常解剖と異常構造(インプラント後 上顎洞炎のリスクファクター)
●上顎洞底挙上術と上顎洞炎

「耳鼻咽喉科学的見解」
●インプラント前の上顎洞炎に対する治療
●上顎のインプラント治療合併症に対する対応

「上顎洞周囲の解剖」
●上顎洞・鼻・副鼻腔・自然孔・篩骨洞・蝶形骨洞・前頭洞・眼窩底の3-D解剖

後半の小澤俊文先生の講義及び実習
「サイナスリフトの臨床」
●サイナスリフト、ソケットリフトの適応基準
●耳鼻科的観点から見た術前評価の仕方(手術難易度、出血のリスクなどの評価)
●CGF、AFGの作製方法と臨床応用
●上顎洞底挙上術の基本術式
●術中、術後トラブルへの対応

「ハンズオン」
●静脈血採血の手技、注意事項
●メディフュージを用いたAFG、CGFの作製実習

症例では、日本でも有名なインプラント外科医が行ったサイナスリフトにおいて、上顎洞炎を起こし、篩骨洞からさらに前頭洞まで炎症が波及して危うく脳髄膜炎にまでひき起しそうになったケースも紹介されました。

近年、上顎でのインプラント技術が進歩してサイナスリフトやソケットリフトが一般の歯科医でも盛んに行われておりますが、それに伴い上顎洞炎のトラブルも増加しています。
歯科医師におけるサイナスリフトのセミナーでは、そのほとんどが上顎洞炎を引き起こした場合の対処として、抗生剤の長期投与で解決するとされていますが、それは大きな間違いであることも理解しました。
歯科医師は、みんなやっているからと安易な気持ちで上顎洞挙上術を伴うインプラント手術を行うと取り返しのつかない合併症を引き起こします。

今回のセミナーでは、今までの歯科医師による上顎洞挙上術の講義とは異なり、耳鼻科の専門医によるかなり踏み込んだ対処法や上顎洞周囲の解剖について学べ、非常に有意義なセミナーでした。