日本口腔インプラント学会 第36回関...
2017.02.11
本日、日本口腔インプラント学会 第36回関東甲信越支部学術大会に出席してまいりました。(新宿京王プラザホテルにて1日目)
学会は2日間にかけて行われ、本日は第一日目です。
●上顎無歯顎即時補綴の展望(All on 4 vs 暫間インプラント)
演者 下尾義昭先生
マロークリニック東京 院長
オールオンフォーとは、無歯顎患者において4本の長径の長いインプラントを即時埋入し即時に上部構造もセットする術式である。
即日に咬合機能の回復が得られ、患者のQOLの向上が得られる。
暫間インプラントとは、同様に無歯顎患者においてのインプラント治療において即日に咬合機能を回復するために、最終的なレギュラータイプのインプラントを8本程度埋入するとともに暫間的に使用するミニインプラントをレギュラータイプのインプラントの間に埋入して、そこに義歯の維持を求めとりあえず咬合機能を回復させ、レギュラータイプのインプラントのオッセオインテグレーションが完了した後、最終補綴物をセットする術式である。
どちらも一長一短であるが、オールオンフォーにおける術後感染や安易な術式によるトラブルについての考察を行った。
●上顎無歯顎即時暫間補綴における暫間インプラントの有用性と限界
演者 尾関正彦先生
昭和大学歯学部インプラント歯科学講座教授
上顎無歯顎患者のインプラント治療においてオールオンフォーを行う技量がない場合やオールオンフォーにおける大きなリスク回避をするため、暫間インプラントを用いた即時補綴についての有用性と限界についての考察。
1 暫間インプラントを必要とする背景
2 暫間インプラントの有用例
3 暫間インプラントのトラブルと対処法
4 暫間インプラントの適応症と禁忌症
午後は埼玉インプラント研究会の久野敏行先生のご厚意によりポスター発表に参加させていただきました。
〈ポスター発表〉
●下顎にコーヌスタイプブリッジを使用した高齢者の長期症例
症例発表者 久野貴史先生
高齢者におけるインプラント治療で長期に経過した場合、上部構造装着後のトラブルによりリカバリーを行った長期の症例の考察と結果。
インプラント治療を行い良好な咬合機能が得られても他の疾患や認知症により通院が不可能となり、メインテナンス不良でインプラントが脱落した場合の症例で、ボーンアンカードブリッジから既存インプラントと天然歯を利用したコーヌスクローネブリッジでリカバリーして良好な結果が得られた長期症例の考察を発表した。
●最新の耳鼻科診療から見たインプラント治療
演者 比野平恭之先生
昭和大学医学部耳鼻咽喉下顎講座客員教授
従来では上顎臼歯部のインプラント埋入は腸骨移植などリスクの高い手術で特定の医療機関でないと行なえなかった。
近年ではソケットリフトやサイナスリフトなどの術式の発展及び骨補填材やCGFなどの再生医療の発達により、一般のインプラント治療医においても数多く上顎洞挙上術を行うようになった。
しかし、それに伴いインプラント治療における上顎洞炎が発症する問題も多くなってきている。
上顎洞挙上術を行う上で副鼻腔の解剖を十分理解し、手術を行う場合に上顎洞のみならず自然孔の状態の観察及び上顎洞内の病変について
また、内視鏡を用いた経鼻的副鼻腔手術(ESS)による上顎洞お排泄路の病変の治療方法を紹介した。
●上顎へのインプラント埋入と上顎洞
演者 又賀泉先生
日本歯科大学生命歯学部口腔外科学講座教授
上顎臼歯部におけるインプラント埋入においての上顎洞粘膜の挙上と骨補填材やCGFの応用について
上顎洞炎に対する治療方法として内視鏡を用いたESSによる上顎洞粘膜の温存について